歯周病
歯周病とは何か
歯周病の基本情報
「80%以上」 「100人に1人」
何の数字だと思いますか?実は「歯周病」の実情。
成人の80%以上の人が歯周病で、35歳以上で歯周病に問題のない健康な歯肉を持った人は100人に1人もいないといわれています。
歯周病は「静かなる病気」と言われ自覚症状はなくても進行が続いていることもあるのです。
それなら自分も!?と思う方々もいらっしゃると思います。
そんな方は(歯周病チェックシート)でチェックしてみてください。
歯周病チェックシート
※クリックすると大きい画像が表示されます
歯周病のメカニズム
歯周病の直接的な原因はプラークです。
プラークとは細菌のかたまりで、プラーク1mgの中に1億個の細菌がいるといわれてます。
そのプラークを取り除けないままでいると、プラークの石灰化が起こり、歯石になります。
歯石は、ざらざらしている分、その上から更にプラークがつきやすくなるという悪循環が生じます。
歯周病は、プラークが歯周ポケットに入りこんでいき、炎症をおこして歯肉が化膿することを言います。ひどくなると骨が溶けてしまいます。
骨が溶け出すということは、歯を支えていた土台が崩れること。そして大切な歯が失われれいくのです。
歯周病の図表
歯肉炎 (歯肉ポケット 2~6mm) |
軽度歯周炎 (歯周ポケット 3~5mm) |
中等度歯周炎 (歯周ポケット 4~7mm) |
重度歯周炎 (歯周ポケット 6mm) |
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歯肉にプラークがたまり、歯肉ポケットになります。 場所によっては歯石も少し付きます。 まだ、歯槽骨(歯根膜)は破壊されていません。 |
歯肉の腫れが強くなり、歯周ポケットを形成します。 ポケット内部にはプラークや歯石がたまります。 歯槽骨(歯根膜)も破壊され始めます。 |
炎症はさらに広がって歯槽骨の破壊も根の長さの半分くらいまで進み、歯がぐらぐらし始めます。 歯肉が少し下がってきます。 |
歯槽骨は半分以上破壊され、歯はぐらぐらの状態です。 |
危険要因(リスクファクター)
・喫煙者
・ストレスを感じている方
・口呼吸の方
・妊婦・思春期の女性
・糖尿病の方
・歯並びの悪い方
・歯ぎしりやくいしばりの強い方
歯周病治療の流れ
1.緊急処置
痛みがある時など、必要な場合に行ないます。
2.検査
現在の状況を正しく検査し、治療計画を立てます。
検査の内容としては
・X線写真
・歯周ポケットの測定
・歯肉からの出血
・むし歯の状況・検査
・咬み合わせの検査などを検査します。
検査の結果に基づいて、治療計画を作成します。また、現在の状況や今後の予定などを患者さんに説明し、ここから歯周病の治療が始まります。
3.プラークコントロール(ブラッシング指導・練習)
お一人お一人磨き方には癖があります。癖を把握したうえで、磨き残しのある部分の説明及びブラッシングの指導を行ないます。
歯周病治療は患者さんとの二人三脚で行なわれます。
後日来院した際に、実際に正しくブラッシングが行なわれているかチェックします。
その後に、ブラッシングの効果をあげるために目立つ歯石や着色などをクリーニングを行ないます。
4.スケーリング
歯周ポケット内にある歯石を除去します。
この段階で、歯肉の健康状態や適切なブラッシングが行なわれているのか再度チェックします。
又、状況によっては新たに治療計画を再検討したり、ブラッシングが正しく行なわれていない時は再度、ブラッシング指導・練習を行います。
5.スケーリング・ルートプレーニング(SRP)
正しくプラークコントロールが行なわれているが、歯周ポケット内の深くに歯石があるために症状が改善されない場合、この歯石を除去します。
ポケット内の歯石を除去する場合は、局所麻酔が必要になることがあります。
6.歯周外科処置 (歯の周囲の小手術)
スケーリング・ルートプレーニングを行ったが良くならない部位、健康な歯ぐきの獲得のために、ポケットの除去や、健康な歯ぐきの移植などをおこないます。
健康な歯周組織を獲得することで、メインテナンスしやすい状態にします。
7.メインテナンス(定期健診とクリーニング)
歯肉の状態が健康な状態になったとしても、歯周病は完治することが出来ません。
その為、継続的な定期検診と必要に応じてクリーニングを行いよい状態を維持していきます。
歯周病治療は治療後のケアが大切なのです。
補足事項
1~4:全ての方に行います。
5:中等度以上の方に行います。
6:一部の中等度以上の方~重度の方に行います。
7:全ての方に行います。